記憶の桜 -栄枯幻世-



「俺と近藤さんは元々百姓の生まれだ。それでも、武士になりたくて…。やっとなれたんだ…。やっと叶った夢をあの人に壊される訳にはいかなかったんだ…」




2人が百姓の生まれだったとは、知らなかった。




せっかく叶った夢を他人に壊されるのは、辛く、哀しい事だ。




「私は貴方がたを責めるつもりはありません。私も似たような事をして来たから…」



花散り鬼として長州浪士を斬り殺していた私に、彼らを責める権利は無い。