記憶の桜 -栄枯幻世-



その途中、原田さんと山南さんとすれ違った。




「土方さん、大丈夫か?…って、何で涼がいんだよ!?」




此処にあってはいけない私の姿に、原田さんは動揺を隠せない。




「詳しい話は後だ。それより、向こうで総司を手伝ってやってくれ」




「あ、ああ」




「葛葉君、これを着て行きなさい」




山南さんは着ていた黒い羽織を私の頭にかけてくれた。




羽織から血の匂いがする―。



彼らも土方さん達と同様に、芹沢さんの暗殺に関わっているようだ。