記憶の桜 -栄枯幻世-



「涼ちゃん!逃げるんだ!!」



沖田さんが私に向かって、叫んだ。



逃げろと言われても、足が鉛が付いているかのように重くて、動けない。



そうこうしているうちに、芹沢さんが目の前に立っていた。



「俺はお主らが羨ましい…。――――のだから…」



「えっ…?」



彼は私にだけ聞こえる声で呟いた。



今、何て…。