記憶の桜 -栄枯幻世-



「あの着替えが…」



「そのまま帰って大丈夫どす。番頭はんと妓夫はんにはもう話を通ってはりますから」



鈴蘭さんはそう言うと、最初着ていた着物を私に差し出した。



「花散り鬼の事は誰にも言いまへん」



「ありがとうございます」



話したのは私だけど、もし、長州の人に話されてしまったら、困る。



だから、鈴蘭さんが話さないと言ってくれたのは有り難い事だ。



私は着物を受け取り、土方さん達と屯所に戻った。