「何だと…?」 私の言葉に驚いたのか、芹沢さんは視線を私に向けた。 彼だけじゃない。 このお座敷にいる人、すべてが私に視線を向ける。 「よく思い出してください。花散り鬼の長州殺しが無くなった時期と私が屯所に来た時期を」 芹沢さんはしばらく考えると、はっとしたように顔を上げた。 「ぴったり重なるはずです。それは私が花散り鬼だから―」 私は口角を持ち上げ、芹沢さんを見た。 そんな姿に彼は、いきなり笑い出した。