記憶の桜 -栄枯幻世-



踊り終えると、辺りは静寂に包まれる。



まさか、下手だった?



「上手いね…、涼ちゃん」



沖田さんは驚いて、目をぱちくりさせていた。



「それはありがとうございます」



私は礼を言うと、芹沢さんの隣に戻った。


「芹沢さん。貴方は私が血の匂いを纏っていると言いましたよね」



芹沢さんは猪口に口を付けながら、短く返事する。



「理由は簡単です。

私が花散り鬼だからですよ―」