そんなある日。



私は箒で屯所の前を掃いていた。



「もしかして、貴女が涼さん?」



後ろから声をかけられた。



声の方に視線を移すと、そこには綺麗な女性が立っている。



確か、この人はお梅さん。



芹沢さんの妾―。