「やめっ、やめてくれえぇぇ!」
誰もが、大切な人たちであった。
「殴れ」
彼が初めて、通話口に話す。
響く悲鳴。順を追って、豚みたいな声があげられた。
「た、頼むからっ」
通話口の向こうで何をされたか悟った左の男が、たまらず土下座した。右の奴がおいっというも、銃を捨てて戦意を喪失している。
「こ、こんなことで、ただで済むと思うなよ、貴様あぁぁ!」
『ケビンかっ、やめろ!計画は中止だ!』
「っ、ボス」
耳を疑うようだが、紛れもないことに右の男は銃を下ろした。
ボスと言われた存在が、やめろやめろと繰り返す。
致命的状況下にいるのは確実だし、事の首謀者がそう言うのであれば、もはや男たちがしていることは無意味でしかなかった。


