困った表情をした彼だが、分かったよ、と右足から銃口を外した。
「じゃあ、二番目に安全な方法にしよう」
そうして、悪魔は笑う。
悪魔といったのは、この場で笑ったから。
血を流しながら、にこやかに、涼風らしく笑った。“普通である異常”を顔で語ったからだ。
「何をごちゃごちゃと……!武器を捨てろ!」
もう自身を撃つ気がないと見限ったか、そんな命令が出されても、彼は捨てずに。
「人はコウノトリが運ぶわけではない」
詩人のように話してみせた。
「何を……!」
「母がいて、父がいて、産まれ、生き、時間を過ごし、数多の人と繋がりを持って今になる」
彼がケータイを出した、どこかに通話するようだった。


