場違いな含み笑い。主は口元を歪めている彼だ。
「なんだ、いったいどんな理由かと思えば、そんなことで」
言いながら、彼が銃を取り出した。黒い鉄に男たちが、動くなっと一喝したが、彼は構わずその銃口を。
「俺の彼女を人質に取ったのか」
自分の左肩に押し付けた。
戸惑ったのは彼以外の全て。
理解不能な行動はいつだって。
「左肩」
狂気がつく産物だった。
撃ち抜かれた左肩。彼の後方の壁に、血が飛び散った。
赤い片羽にも見えて、歪んだ芸術品のよう。
だらんと垂れ下がった左腕は、真っ赤に染まる。
「な、何を……!」
絶句していたミナナは喋れず、口を開いたのは右の男。彼に向ける銃は相変わらずながらも、微かに震えていた。


