ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて



【目と鼻の先の危険】


麻薬と犯罪の無法地帯クラストに野暮用があり、ミナナは訪れていた。


もっとも、野暮用は済み、今は帰宅真っ最中なのだが。


――何でも屋だな、これじゃあ。


最近は、殺しの依頼が減ったために、食いぶち稼ぎにある伝言を伝えてほしいという依頼を引き受けたのだ。


ミナナのようにそれなりに自身で身を守れる者でなければ、クラストを歩けないためミナナが頼まれたわけだった。


実際に、クラストに入ってから二回ほど絡まれてしまった。


――実弾五発使ってしまった。


痛い出費には違いなく、ミナナは息を知らずに溢す。


クラストの空気は淀んでいた。灰色の街に相応しいビル街のはずが、どれも壊れて廃れているのだ。


確かにこれでは治安も悪くなるだろう。