思い出したら、悲しさと空虚感がやってきたため、そのままカルツは彼女に身を預けた。
抱き締めているはずが、抱き締められているよう。
「殺して……」
やっと出た言葉に、彼女は意味が分からないと言わんげだった。
「俺がミナナを殺そうとしたら、殺して」
付け加えても彼女はまだ分からずで、どこか呆れが混じったような声を息と共に漏らす。
――何をやっているのだか。
退行してしまったかのような自分。子供だった。
自分よがりに傷ついて、彼女に押し付けてしまっている。うじうじしがちでなんとも情けないが、事実自分はそうなのだろう。
ごめん、忘れて。と逃げの言葉が出る前に。


