ならばと舌を這わせた。手の甲から腕、首筋。ほんのりと鼻先で感じた彼女の臭いに、感情が高ぶる。
肌に味などないが、甘いと感じるのはなぜだか。愛情と幸せがその部分を補完しているのだろうか。
唇を合わせて、舌を入れた。
彼女の息が荒くなる。ついで己も乱された。
目は閉じられ、分かっているかのように舌が応えてくれた。
離された唇には雨を視認した時に見られるような、透明な線が繋がっており、カルツはそれごと口に入れて、また彼女と口づけをかわした。
――ああ、好きだ。
心が暖かい色に変わる。会う度に好き愛しているが無尽蔵に膨れていく。
――なのに、俺は。
せっかくの幸せ気分を自ら水さす。


