「何か、ありましたか」
こうして聞くと夢とは違う声だと思えた。
適切な言葉しか言わない冷淡な声ながらも、カルツにとってはどんな歌よりも心地よい音色に近かった。
言うべき言葉が思い付かずに、行動が先走る。
ベッドが軋む。
抱きつかれた彼女は暴れようとはしなかった。
察してくれたか、拒絶しないでくれたのに涙が出そうになる。
冷たい体にとって、彼女はいい温もりだった。
力を込めて抱きしめる。けど、苦しくないように配慮はした。
彼女の手が頭を撫でる。
触られたということだけで至福だった。
もっと感じたいとその指先を舐める。彼女の目が細められた。
――感じているのか。


