部屋に入れば、壁際にあったベッドで彼女が寝ているのがすぐに見てとれた。
ぴちゃぴちゃと水がフローリングにしたたる。フローリングとは名ばかりで、廃れた木の板でしかないが。
水滴により染みを作り、靴から足裏にまできた水のせいでカルツが歩く度に染みの足跡ができた。
古い作りのために床がぎしりと鳴る。
そこで彼女が起きた。
枕もとにあった拳銃をこちらに向け、固まる。
「……」
なんだあなたでしたか、と言わんばかりに拳銃を枕元に置く、彼女は前髪をかきあげた。
生まれつきなのか、職業柄なのかにしろ、彼女は物音には敏感らしい。
ああやってすぐに侵入者に対応できるあたり、警護なんて要らないだろうが――守りたいのは守りたいのだ。


