もう片手はぬるぬるしていた。ボディソープでもつけたらしい。
変な感触に、変な想像をしてしまう。
「どう、その気になった?」
「ぜんぜん」
「体は正直なのに」
彼の言う通りだった。膝がガクガクし、力が上手く入らず、彼に寄りかかる。
――ああ、猫は出ていったか。
くだらないことを思い気を紛らわそうとしたが、感覚が全て彼の指先に持ってかれた。
重点的に迫られる箇所には目を細めて、歯噛みをし、下腹の奥が切なくひくつくのを感じた。
――流されやすい。
自嘲すらも交えて思った。
彼の体に腕を回したところで。
「これ、どうしたの?」
手が離れた。
なんとも歯切れが悪いが、彼にすがるような真似をするほど理性は欠けてないので。


