「っ……」
彼の顔が歪んだと思ったら、弾が取り出された。取り出したと同時に、ぷしゅりと血が跳ねる。
そこにまたアルコールをかけて、彼はタオルを当てた。適切すぎる対処であろう。
「因みに聞きますが、誰にやられたんです」
――この人に手傷を、しかもか弾を当てるとは。
ミナナが動揺したのはそこにあった。彼女は今まで、彼が傷ついているというのを見たことないのだから。
「銀の吸血鬼(クルースニク)」
「――、ああ」
ふざけた名前だと思い、ハテナを浮かべたが、“アレ”かと納得する。
銀の吸血鬼(クルースニク)とは、マフィア飼われの殺人代行人だった。
通り名に相応しく、人間を超えた化け物。血も涙もない残虐性を持つ人間の殺し手。


