「私も、あなたに見限られたら殺されるのでしょうね」
「君が俺を見限るなら死ぬよ」
そう来たか、と頭を撫でた手を止めた。
――私も人のことは言えない、か。
彼との付き合いは表面上の馴れ合い。恐らくは、殺せと言われたら簡単に引き金を引いて終わらせるだろう。
今のところ、そんな予定はなく、あっても今現在の彼といる利点を考えれば、何かと蹴るだろうが。
「案外、あなたは簡単に死にますよね」
「簡単ではないよ。ミナナに見限られたら――嫌われたとなったら、君を十年近く監禁して、その間、ずっと愛を育み、それでもなお、見限るとなって、初めてそこで自殺する。
君を殺したあと。来世では、ずっと愛せるだろうから」
「見限られませんねぇ……」
心底思う。
彼との愛はかなり綱渡りらしい。
もっとも、安易なことを口にしなければ十分安全なんだろうが。


