「あんな脅しめいた電話したら、今頃、そいつ逃げているんじゃないんですか」
気まぐれか、ミナナは彼の頭を撫でながら聞いた。
――うわー、さらさら。
猫の毛並ぐらいに触り心地がいいのは知っていたが、実感がわくのは触る度にだった。
「ああ、大丈夫。見張りをつけているから、逃げようとすれば捕まえるよう言ってある」
「あなたでも、誰かと馴れ合うということがあるのですね」
「一人でやると何かと面倒ごとがあってね。きちんとした組織――小規模だけど、そいつらと表面上の馴れ合いはしている。まあ、殺せと言われたならば、すぐに殺すけど」
利用価値だけで何とか害悪を処分していないのだろう。彼に見限られたら終わりとなる。


