――私も彼に愛されているのに。
だいぶ違うと思った。
いくら愛されても、こちらが同じぐらい愛さなければイミリアのように綺麗に笑えない。
幸せでないとは思わないが、幸せだと大声で言うのはためらわれる。
それは贅沢だと周りに非難されるだろうが、想いは当人にしか決められず、自分が幸せか不幸か決めるのもまた他人ではない。
曖昧なままであり、別段、幸せになろうともイミリアのように笑いたいとも思えない。
確かに眩しい笑顔で、自分の汚れを感じてしまうが羨望はしない。太陽と同じだ、暗さを照らし、目をそらしてしまうが、自ら太陽になりたいだなんて思わない。
「長く続くといいね」
だからこそ、ほろりと出た言葉。
他人の不幸を願うほど今のミナナの心は余裕ないわけではないので、祈りもこめずに、そうであれと言ってみせた。


