『兄さんもよく、私以外を虫けらとか豚とか言う』
その点も、人間全員害悪となる彼と似つかわしい。
独自の世界観は、全てを黒にし、一点の光だけで良しとする。一つしかないからこそ、大切にし、執着し、固執し、愛するに至るのだろう。
彼にとってのミナナ。
兄さんにとってのイミリア。
曲がった純粋はいったい何から産まれてきたのだかとミナナは思う。
『それと煙の匂い』
「まあ、同じ職業だからね」
『あなたも』
「……、そうだね」
『この部屋好き。落ち着く匂いだから』
アロマが売られるほど、人間は匂いにより癒されたり、時には不快にもなる。
決してミナナの部屋にアロマなど置いてなく、住み慣れた当人にとっても何の匂いもしないつもりだが。


