拾った部分を掘り下げるほど野暮ではないミナナは聞かなかった。
訳あり、これに尽きるし、たいしてイミリア自体に興味がわかなかったのかもしれない。
『やっと名前教えてくれたんだけど、お兄さんの方が定着してたからそのままにした』
メモ帳がめくられ、またかりかりとペンが滑る。
『兄さんも自分の名前気に入っていなかったから。一緒にいてから半年ぐらいしたあとに、変えたんだ』
それでも兄さんと呼んでいるけど、なんて言われたような苦笑いをイミリアは作る。
「名前が気に入らないだなんて、よほどすっとぼけた名前なんだろうね」
『可愛い名前。私は好きだけど。兄さん、“私と同じ名前”がいいからって嫌いになったみたい』


