ならば、彼もまた同じことができるのだろう。
――にしても、可愛い以外は普通の女だよなぁ。
彼の体を退けて見たものの、とてもその吸血鬼(残虐王)を骨抜きにする要素は見えなかった。
それを言えばミナナにしてもそうだが、本人は気づかないようだった。
「まあ、いいや。とりあえず、座って」
立たせたままだったとミナナは椅子を離れ、どうぞといった素振りをした。
少し戸惑うも頭を下げる女。それと共に手を動かす。
一般的に『ありがとう』と見えたジェスチャーだ。にしては、どこか違うような。
椅子に座った女は、ミナナを見て、また手を動かした。
一度動かすも、気づいたように、自分の喉を指して、唇にバッテンを添えた。
――あ、喋れないのか。


