彼にとってはあの女は“その程度”でしかない。
――私しかいないよな、そりゃあ。
受けたからには他の奴に預けられず、ましてやそこに第三者を入れようとも、人間全員害悪な彼にとっては気持ち悪さが増えるだけで、こうして女をミナナのとこに連れてきたのは当然だった。
いわば、中和剤。
気持ち悪さを愛するミナナで消そうとしているらしい。
「本当は迷ったんだ。ミナナの部屋に害悪連れてくるのは。ここは俺にとっても落ち着く場所で、ミナナと二人っきりになれる聖地。一滴の染みも十分に脅威だけど……まあ、害悪のせいで汚れたら、俺の拠点――部屋に来ればいいし、あわよくばこれでミナナと二人暮らしなんていいなぁって」
「後半、悪巧みじゃないですか」
肩に手を置く彼を突き放す。
――というか、よく本人前で害悪害悪と。
気を悪くしただろうかと女を見たが、あまり表情は変わってなかった。


