「無理だ。護衛だからね、四六時中一緒にいなきゃいけない。さすがに俺の拠点には連れていかなかったけど、どのホテルに泊まるにしても同じ部屋。
ミナナ以外の奴は害悪なんだ。でもこれも後々の利益だと歯を噛み締めたけど、アレの吐いた息やら、アレが動いた音を聞いたり、同じ空間、密室に二人っきりで密接にいるなんてもう……死ねる」
「生きているじゃないですか」
「死ぬ手前、ベランダで寝た」
「どれだけ嫌なんですか」
彼が言う“アレ”を自分が嫌いなもの。害虫なり、寄生虫なり、言ってしまえば、ゴキブリと思えば少なくともこんな嫌悪するのは分かるだろう。
人間大のゴキブリが同じ部屋にいて、それと同じ空気を共用しているとなれば確かに鳥肌ものだ。


