「あの害虫(女)はね、それだけの価値がある“いい物品”なんだよ」
歯に衣着せぬ言い方は、“そうでなければ殺している”と言い含まれているようだった。
ミナナが女を見る。
きょとんとした目とかち合った。
「どう見ても、“私たち”とは無縁の可愛い女にしか見えませんが」
「クラストを陣取るマフィア」
「は?」
「銀の吸血鬼(クルースニク)の最愛の人」
「ええと……」
整理する。
クラストとは無法地帯であり、警察の介入がないために大々的にその根を伸ばす組織(マフィア)がいた。
MBという麻薬を売り出してから波に乗り、比較的ハイスピードで成長するマフィアだ。
ついで、クルースニク。荒くれ者が集い、数多の凶悪犯がいるようなクラストではその名を聞いただけで萎縮すると言われる、残虐殺人代行者。


