匂いは酷く、味も独特。だがそれがいいとも思わせる魅力と深みがあった。
ラベルには、『1951 Grange Hermitage』と書かれてある。
「グランジ・ヘルミタージュ?」
聞いたことがない。有名じゃないのかなと思う。
「カルツさん」
「ミナナの匂いは蜜の味がする」
「バカなこといってないで、このグランジって言うワインいくらなんですか?」
「さあ、きちんとした値段はつけられないよ。もう市場じゃ売ってないだろうし」
「は?」
「オークションで五百万はくだらないから」
「え……はあああ!?」
思わず叫んだのも無理はないだろう。
すぐさま彼に向き直り、そのワインを見せる。


