「ミナナに全部食べてもらいたい」
「そんな“卑猥な愛情”が入ったやつを誰が食べますか。ああ、だからシチューなんですか。だからシチューにしたんですねっ」
「カレーが良かった?」
「どちらにせよ、私を始終想像して、絞り出したやつが入ってんなら食べませんから!」
彼が言う隠し味にして、愛情。
それの意味を知り、久々ながらミナナはご立腹であった。
立ち上がり、今にも彼を殴りそうな重い雰囲気を放つ。
「冗談だよ。ちょっとしたお茶目」
「あなた、私に嘘はつかないんですよね」
「口からは妊娠しないよ?」
「こんの挙げ足取り」
確かに、口からは妊娠しないは本当だ。そこに嘘はないし、ただ単に隠し味をアレと連想させただけにすぎない。


