「……」
その文字を読んで、うわぁとした顔にミナナは知らずとなる。
対する彼は己で二の腕を見て、意気揚々だった。
「前々からやってみたかったんだけど、一生ものだからデザイン考えるのに苦労したんだ」
「やはりあなたデザインですか」
さすがに彫ったのは専門家だろうが、専門家の人にしても、こんなデザインをやれと見せられて破顔したに違いない。
「『いいんですか』とか二回以上言われなかったですか」
「言われたねぇ。しつこいから金を倍出したら、すぐにやってくれたけど」
金に負けたらしい彫り師。
デザインとして青バラとトゲつきの茎、更には茎に絡まる文字たちもなかなかのバランスがとれて、写真にでも納めたい逸材だが、問題はその文字。


