「ミナナ」
起きたねの代わりに名前を呼ぶ。
カルツの思惑通り、彼女は特に不機嫌になることはせず、自分の体を愛する指と舌に我が身を与えた。
特に胸。特の特に人差し指。
変な声が出そうになったので、彼女は口を腕で隠そうとしたが、見破ったカルツはそうさせない。
あらわになった彼女の口からは「きもちいい」ととらえられるなんとも角砂糖を含んだような甘くとろけやすい声が出た。
聞きたいことが聞けたらしくカルツが笑い、彼女の額に唇をつけ、今度は右目。
眼球に物が当たる前に反射的に彼女の瞼が閉じる。
眼球上、皮膚一枚の向こうにある舌は脈打つようで温かかった。
趣味が悪い、と言えばそうだが、右手の快楽があってはそれもその一部に過ぎないと許せてしまう。


