「あなたの傍が、一番心地いいですね」
彼の首に腕を回して、キスするかしないかの位置まで顔を近づけた。
――ほんと、心地いい。
珍しく出た感情はすんなりと受け入れた。
彼はミナナの所有者であり、ミナナの所有物でもあった。
ミナナを独占するのは彼であり、また独占できるのはミナナだけ。
持ちつ持たれつか、天秤が釣り合う形がとても整い綺麗に見えた。
「しばらくは帰さないからね」
言って、彼はミナナが止めた距離を進める。
目を瞑っても、彼のあの顔が忘れられない。
――もうやめておこう。
あんな顔をさせるのは嫌だったので、裏切る行為はしないでおこうと胸に誓う。
裏切りの代償が大きすぎるのだから。


