吸ったらしく、痕が残ったのは見なくても分かった。
それを繰り返す彼。時折、歯を立てたりと、かなり念入りに痕を――それこそ、マーキングするようにつけていった。
吸われる度に、体の力も持っていかれるよう。
壁を背に、ずるずるとミナナは落ちていった。
濡れたタイルに尻をついて、はあと息を漏らす。
彼もまた体勢を低くし、やることは変わらなかった。
首筋に、何回も、何個も、何度も、飽きることなくつけていく。
「殺さないんですか」
前戯にしては甘く、執着すぎたことを続けられ、ミナナはつい聞いてしまった。
「害悪どもにミナナの相手は誰かと教える」
やっと聞けた彼の声色は黒を含んでいた。


