ミナナが来たのに驚いたようだったが、特に何を言うまでもなく、ミナナも了承得ずに彼の横でお湯を被る。
壁につけられたシャワーノズルから出るお湯は、ミナナにしてみれば少し熱かった。
温度を調整しようとレバーに手を伸ばす前に――壁に押し付けられた。
シャワーの音だけがバスルームに響き、悲しそうなそれでいて怒りだしそうな彼の顔をミナナは見れなかった。
「……」
謝ろうと思った口を閉じる。
――もう遅い。
彼をこんな顔にさせてしまったのにはさすがに悪いと感じたが、もう見てしまったからは謝りなど無駄にすぎなかった。
せめて死ぬ前に彼の好きにさせようかとミナナは肩の力を抜く。
彼が、首筋に口をつけた。


