彼が馬乗りになった時についたのだろう。
服を脱いだ。
「……」
潔癖症というわけではないが。何故か無性に体を洗いたくなった。
血は服についていただけで決して肌にはついていないが、なぜかあの男のにやつく顔が思い出されて不愉快だった。
血と顔は無縁のはずなのに、名残りとしてあるからか――実に不愉快だった。
男に体を触れられている気さえする。取り引きがない今、それはミナナにとってただ鳥肌を立たせることでしかない。
――洗おう。
思ったのは早く。行動も早かった。
バスルームに足を運ぶ。
先着でいた彼はまだ上がらず、当たり前ながら鉢合わせた。
擦りガラスが開く音でこちらを向く彼は、もう十分に流したであろうに、まだシャワーのお湯を被っていた。


