手というよりは手首。強引たる引きに抵抗は望めず、ましてや抗うつもりもなかった。
連れていくなか、彼は一度も喋らず、ミナナにしても何も言わなかった。
終着は彼の自室。
何もないリビングを通り、寝室に招かれ、ベッドに倒された。
あとは体よく馬乗りになってきた彼だが、ふと、自分があの男の返り血だらけと気づいたか、舌打ちをして、寝室から出ていってしまった。
一人になった寝室。
ここまで来るのに、やけにハイスピードに思えた。
――殺されるかな。
ベッドに仰向けのまま、自分のこれからを予測する。
彼の愛は純粋にして過剰だ。
死ぬ気で守ってくれるが、裏切ったならば愛憎に胸を焼かれて殺しにかかるかもしれない。


