「食べなよ」
「う、うん。いた、だきます」
イヤだと言っちゃいけない気がして、ワタシは机に置かれた白い箱を手にしました。
椅子に座り、開けてみれば、中には大きな白いケーキが入っていました。
「わあ」
目をピカピカさせてしまいます。
レモンとチーズのいい匂いだけで、くうとお腹が鳴った気がしました。
箱には小さなフォークがあります。
「わけっこしなくて……いいの?」
丸いケーキは切るものです。けど切るものがなくて聞いてしまいました。
「わけなくていいよ。ミナナは要らないみたいだし、なら俺もそんなもの要らない。そのまま食べたら?」
夢みたいでした。
大きなケーキを一人だけで食べるなんて。


