「幼い心にトラウマを植え付けるような教育はしたくないです」
「どうしても?つけあがるよ、あの害悪」
「しませんよ。私はあの子と馴れ合う気はありませんから。ただ数日間の同居人でしかない」
「……」
お兄ちゃんが身を引きました。
ワタシを見たあとに、お姉ちゃんの唇に触れます。
「だよね。ミナナは俺以外は無関心でしかないんだから」
安心したようにお兄ちゃんは笑います。
なのに、お姉ちゃんは手を払って、またそっぽを向いて動かなくなりました。
「恥ずかしがりやだねぇ」
お兄ちゃんがお姉ちゃんの髪を撫でました。
「害悪……じゃない、レム。それ、食べていいよ」
さっきと違って、お兄ちゃんは睨みません。
笑顔だけど、お姉ちゃんに見せるような綺麗な顔じゃなくて、どこかピエロみたく少し怖かったです。


