「おい、あんたっ。こっちに女の子来なかったか!」
「あっちに行きましたけど」
ひっ、と小さな悲鳴が出ました。
捕まると目をぎゅっと瞑りましたが、パパの荒い息と足音は遠くに行きました。
目を開けて、こっそりと見れば、そこにパパはいなくて、お姉ちゃんだけがいました。
「あー、ごめん。臭かったでしょ」
お姉ちゃんがもういいよ、とかくれんぼみたく言いました。
「パパは……?」
「あっちに行ったね」
あっちとお姉ちゃんは指差しましたが、パパの姿はもう見えません。
「売られたわけじゃないよね」
言いながら、お姉ちゃんはワタシに上着を着せてくれました。
裏側がモコモコして気持ち良かったです。


