俺のために産んだ、あたりが何とも彼らしかった。
「殺す必要はありませんよ。というか、もう死んでいます。小さい時に小金稼ぎのチンピラにやられましたから」
小さい時とあってか、今は特に秀でる感情は芽生えなかった。思い出の一枚絵でしかなく、もう感情が鈍るほどに見ている。
「最悪だね。まだ俺、お礼が言えてないのに殺すだなんて。そのチンピラの情報が少しでもあれば、探していたぶり殺すけど」
「微妙な仇討ちに闘争心を燃やさないでくださいよ。必要ないです」
――あれが最初の殺しだったなぁ。
彼と同じだ。
やられる前にやった。
殺害に年齢は関係なく、人間らしさが宿るのは産まれた時から。
人間らしさは自分を救う。他人を殺してでも、恐怖から逃れたい気持ちもまた然り。


