特にそういった施設で死んだことにし、国籍を抹消してある人間は犯罪に扱いやすい。
金に目が眩んだ人間のさがと言うべきか、彼もある意味、被害者である。
「あれ?カルツさんって、マフィアの雇われでしたか」
「昔の話だよ。飼われだと、何かと縛りがあってうんざりしていたから抜けた」
「簡単にはいかないような」
「適当に構成員を殺していって、『これでもまだ、俺を飼うの?』って聞いたら、簡単に抜けられたよ」
「獅子を飼った奴の末路ですね」
イメージしたのは、首の束を持った、血塗れの彼だった。
大事な部下がなくなるはもとより、そんな異常者と同じ屋根の下にいるのは嫌になったのだろう。
「その後は、適当に暮らして、適当に稼いで、適当な組織と手を組んだり、そうして俺はミナナと出会い、毎日ミナナに恋をするという人生をね」


