母親は務めるものではなく、自然とそうなるものだが。
ただ、餌を与えて、寝かせて、ある程度守ってやればいい。では済まされないのが赤子である。
夜泣きやらぐずりがあればストレスがたまり、精神的に追いつめられるだろうが、そこに愛があればオールオッケーと聞いたことはある。見たことはないが。
ミナナの周りに、そんな手本はいないのだ。
「カルツさんの両親はどうでしたか」
「さあ。いたけど、忘れた」
「忘れたって、育てられた記憶とかは?」
「んー、どうだっかなぁ。俺、過去のどうでもいい記憶――ミナナに関すること以外は、メモしなきゃ忘れるから。小さい時なんか覚えてないよ。あ、唯一あるとすれば、俺が殺したってことかな」


