それを分からせるためか、彼がミナナに抱きつき、首筋に顔を埋めた。
息がくすぐったい。
こよりのような、首筋の皮が薄いのかどうかは知らないが、ぴくんと変な感情を抱く。
「ミナナの香りはいいなぁ」
「安物の石鹸ですがね」
「違う違う。そんな香料じゃなくて、ミナナ自身の匂いかな」
「お日様の香りとかだとかなり嬉しいのですが」
「強いて言えば、俺に近い香り」
「……、血の匂いですか」
人殺したる彼からそんな異臭が毎回するわけではないが、ほのかにそんな匂いもした時があるのだ。
微量だが、印象強い匂いのために鼻が覚えている。
「第一、同じ匂いなら、わざわざ私から嗅ぐ必要もないかと」


