黒騎姫―Princess of black knight


 あたしはアルバードに興味なんかないような口調で告げる。

 護衛兵が次の謁見者を呼びだした。

 あたしは家臣たちに気づかれないように注意しながら、アルバードの後ろ姿を見つめる。

 その姿が扉の向こうへ消えるまで、ずっと……。

 もう少し会っていたかったのか。

 それとも、もう少し快感が欲しかったのか……。

 あたしにもわかんない。

 確かなのは、大勢の前であの人を虐げなければならないということ。

 冷酷に。

 苛烈に。

 あたしの――『計画』のために。