足を高く組んで玉座へ座り、膝上まで開いたスリットから白い脚を見せつける。

 肘掛けにもたれかかって、頬づえをつく。

 そして高慢に、冷酷に謁見者を見下す。

 ン、悪くない……と思う。

 我ながら残念なのは、胸元の開いたドレスを選んで谷間をアピールしたいんだけど。

 まあ、その、素材のチカラ不足ってことで……。

 まだ17歳だし、これから? みたいな。

 自分的には満点じゃないけど、あたしの演じる『魔王フラン』は、異性の目を惹きつけるには十分。

 そして畏れを植え付けるのにも。

 だから、ここにはあたしの脚線美を楽しもうなんて無礼者は皆無。

 玉座の周囲に控えている魔物と人間の家臣たちは、あたしと目を合わせない。