私、柏原秋はついこないだまで 恋心というものを知らなかった。



時を遡り、一年生の一学期のこと。

私の隣の席は松川玲矢だった。


……***……*……***……*……***……


「はじめまして!
私、柏原秋!名前教えて?」


高校生に成り立ての頃、
私は隣の席の男子そうに話しかけた。

隣の席の男子は私の言葉に目を丸くさせた後に
「お前、俺のこと知らないの?」と言った。

私はそこで正直に、
「うん。」
と返答したのを覚えてる。
その時はまさか隣の男子が知り合いとは思ってなかったからね………


「くっ、、、あははははっ!!」

いきなり大口開けて笑出す男子。
私は話についていけずに混乱した。

「え!? な………何がおかしいの!?」



「だってさぁ…………
お前明らかに俺のこと忘れてるだろ?」