「仕事決まりました」

加地が笑みを浮かべ、紅茶を差し出す。

「本当?」

「はい! パソコンを取り扱う仕事なんですよ」

「良かったじゃない」

「ええ」


互いに紅茶を煤る。

「どうして私に?」

「一応、姫野さんの件に巻き込まれたのをキッカケで仕事を辞めたんでね」


面目ない気持ちだった。


「ゴメン……」

紅茶を飲み干した加地は、カップを台所へと持って行く。


「あれからストーカーはどうなりました?」


私は躊躇ったが、彼に今の状況を伝えることを決めた。