社内に辿り着いた私達は、斎藤の机を隈無く調べた。


「見付かったか?」

五十嵐は全員を見渡す。


私は斎藤を見た。

明らかに様子がおかしい。

「どうした?」

五十嵐の声に、斎藤がビクリとする。

紀山が近付く。

「何持ってるんですか〜?」

斎藤が慌てて手を後ろにする。

と、五十嵐は斎藤の腕を捻る。

「見せろ」


斎藤の手をこじ開ける。

私は五十嵐と視線が合う。


「盗聴機だ」

五十嵐は全員に見せた。