「ウッゼ! なら証明してやるよ!! 会社に来やがれ! だがな、何も見付からなかったら、その時は覚悟しときやがれ!!」



斎藤は憤怒しながら、加地宅を出ていく。


大人しいと思っていた加地も、その時ばかりは怒りで満ちていたような気がした。


「俺達も行くぞ」

五十嵐が諭す。


「なんかドロドロ〜」


紀山が苦笑する横で、私は加地にハンカチを渡した。


「あ、ありがとうございます」


「加地君、怒ってる?」

「ぼ、僕が? いえ、怒ってませんよ」


「そう?」

「はい! さ、僕達も行きましょう」


何だろうか? 今日は彼が不細工としては見られなかった。