「とぼけるな! 彼女をずっと付けていただろ?」

「違う…。僕は今日初めて…」


私は怒りを堪えきれなかった。

「嘘言わないで! アナタのデスクから私の…私の写真がいっぱい出てきたわ!」


加地は困惑していた。


「あ、アレは…」

加地の言葉を遮り、五十嵐が再び腕を引っ張る。


「警察に突き出す」

加地から血の気が引くのがよく分かった。

加地は落胆して、全身全霊が抜けたようだった。