その晩、私は五十嵐に頼んだ。

全ての話を聞いた彼は、頷いた。


「ストーカーに遭っていたのか? どうりで最近、顔色が優れなかったのか」


「はい…」

「よし! 分かった! 今日は一緒に帰ろう」


五十嵐は、椅子に掛けていたコートを羽織った。


最後に社内を出たのは、私達二人だった。